京都、四条大宮の昼ご飯、夜ご飯に鹿肉・猪肉のジビエ、無農薬の野菜
四条大宮に店を構える「田歌 食工房（たうた しょくこうぼう）」。
当店の料理の数々には、目に見えない真価があります。
食材を仕入れてシェフがただ調理するのではなく、
お米もお野菜もお肉も自分たちでとって作ってご提供する。
それこそ、猟師兼農家直営のレストランである当店ならではの強みです。
色とりどりで滋味深い料理に隠された、器に盛られるまでの様々なストーリー。
自然との共生を図る私たちの活動を知ってもらえましたら嬉しい限りです。
食材の数々は、9割以上を自給自足する京都美山の「田歌舎（たうたしゃ）」から届きます。
農業、狩猟、採集、林業、建築、牧畜…。
田歌舎では自然と共に暮らしながら“リジェネラティブ（環境再生）”な活動に取り組み、ありとあらゆることを自分たちだけで行っています。
例えば作物は苗を仕入れて栽培するのではなく、種から無農薬で大切に育て、その堆肥も全て自然由来のものを使用。それらは調味料やドレッシングの原材料にもなっています。
近隣の野山での狩猟も自給自足には欠かせない大切な営みの一つ。
年間100頭以上の鹿や猪を狩っています。
命をいただくからこそ、感謝の心を忘れてはなりません。
「狩るは殺生、食えば供養」という猟師言葉がありますが、その肉をいただくだけでなく、
骨からは出汁をとり、一部の皮や角を製品に変えて利用したり、
そうして使えない臓物を含めた残滓は
本社に建設された堆肥舎の中で完全堆肥として循環させて余すことなく活用しています。
日本人の食文化としても、欠かせない米作り。
約１ヘクタールの自社田にて主食としての白米（うるち米）はもちろん、
もち米・古代米（赤米）、黒米などを育みます。
圃場を整え、苗箱を準備しての種まきから始まる苗づくり、田植え、
数回の草刈りを繰り返し、ようやく秋を迎えて収穫となります。
多くの品種を扱う当社のお米作りではそんな品種の混入を避けるために、
乾燥、脱穀作業ではその都度機械器具の丁寧な掃除を繰り返します。
そんな手間暇かけたお米ですが、冷涼な美山田歌の気候にも助けられて
とても高い品質のお米が収穫できるのです。
そんなお米を使って糀も自家製。
その糀からは味噌や醤油を生み出しています。
さらには籾殻は家畜たちの寝床の敷くものとしても利用されたり、
堆肥の副資材としても用います。
園内には、山羊や合鴨、猟犬など様々な動物がいます。
山間部特有の農地ごとの大きな土手の雑草を食べてくれる山羊は、
農作業の手間を軽減してくれる大切な仲間。
そしてその乳からは作るチーズなどの乳製品は、
私たちの食卓をさらに豊かにしてくれます。
自然を守り活かし、回復させる再生可能な活動こそが
「リジェネラティブ」です。
その循環の始まりとなるのが、堆肥。購入肥料に頼るのではなく、敷地内の刈り草、山林の腐葉土、大量の木屑、
稲のもみ殻、生ゴミ、鳥獣の残渣まで、あらゆるものを堆肥として活用しています。
それは田畑に限らず、山林にも当てはまること。
豊かな木々を守ることで、その大量の落ち葉が栄養分となり木を育て、やがて実った木の実が動物たちのエサとなり、狩猟によって私たちの糧となります。
作物を育て、棲み処を作り、
火を扱い、獣を捌き、料理をする。それが自然と共生する私たちの営みです。
循環型のその先
リジェネラティブな営み
