京都美山町の田歌舎|自給自足のレストラン、宿泊、ジビエ肉販売を実施
Welcome
はじめまして
田歌舎とは
京都で最も自然豊かとされる美山町の由良川源流部。
その地にある「田歌舎(たうたしゃ)」では、
谷川と山林を有する約3ヘクタールの敷地で
農耕、狩猟、牧畜、林業、狩猟、採集などを行いながら
温故知新と継承の理念のもとに10名近いスタッフたちと共に
日本古来から続く自給自足の暮らしを営んでいます。
その始まりは2004年。
小さな飲食店とガイド一人だけのアウトドアのお店として、
夫婦二人だけで開業しました。
現在では想いに共感して集まった多くの若者たちがスタッフとなって、
1年の9割以上の食を自給自足で賄っています。
また、一般のお客様向けに宿泊・レストラン・アウトドア・
自然体験・ジビエ獣肉販売なども実施。
2019年には四条大宮にレストラン
「田歌 食工房(たうた しょくこうぼう)」をオープンしました。
山村での百姓暮らしを手段として、
悪化の一途を辿る日本古来の自然を再生させる。
そして豊かな生態系と自然と共生する知識と技を
次世代へ繋いでゆく。
それが私たちが掲げる目標です。
特別なことをしているのではなくて・・・。
春から秋は農業、冬は狩猟といった、
自給的な暮らしを軸にして、
夏には自然との繋がりを実感できる
アウトドア体験を提供したり、
隙間時間には保存食作り、
あるいは木工や建築などの物つくりを進めていく。
百姓仕事にただ専念しているだけです。
自然の恩恵にあずかりながら、
百姓として働き奮闘する昔ながらの生活を
現代版として実践しています。
“自然を守る”ということは実際には簡単なことではありません。
持続可能(サステナブル)かつ再生的(リジェネラティブ)な生活を実現するためには、
地産地消に取り組みながら農業を営むことが大切です。
また無闇に狩猟採集をするのではなくて、敷地内の谷川・山林の植生を回復させて山菜やキノコを育み、
食生回復の一助となる鹿猟を中心とした狩猟を行う。
もちろん敷地外の森からも頂くときには再生力を見定めて分量をわきまえながら・・。
刈り草や鳥獣の残渣、農業では外来の肥料や石油由来の資材をできるだけ用いず、
大量の刈草を敷き藁とし、生ゴミなどを堆肥にし、農作物を収穫する。
森の腐葉土や、地域の養鶏場の鶏糞など暮らしのそばにある有機物を丁寧に無駄なく循環させてより営みが豊かになるような、
そんな体系づくりこそが環境を守るために必要なことなのです。
Member
藤原 誉(ふじわら ほまる)
「田歌舎」のオーナー。
京都美山で循環型のその先、再生型(リジェネラティブ)社会を目指し、自ら自給自足の生活を追求。
田歌舎の活動を通じて、豊かな生態系と自然と共生する知識と技を次世代へ繋げられるよう、様々な取り組みを行う。
安居 昭博(やすい あきひろ)
日本におけるサーキュラーエコノミー研究家の第一人者。
サーキュラーエコノミー型ビジネスモデルの構築サポートを行うCircular Initiatives&Partners代表を務める傍ら、サステナブル・ビジネスコンサルタント、映像クリエイターとしても活躍。
サーキュラーエコノミーとの出会い
(藤原)そもそもの話なんだけど、安居くんがサーキュラーエコノミーに興味を持ったきっかけって何だったの?
(安居)かなり昔になるんですが、幼い頃、僕の母はとても仕事が忙しい中でも必ず手作りの料理を作ってくれる人だったんです。
だから、僕にとって「食」というのは大事なものだったし、大好きなものなんですね。
大きくなってホテルのビュッフェでバイトをしていた時に、毎日大量に破棄される食材や料理を目のあたりにして本当に衝撃的で。
「何とかしなければ」と思ってフードロス問題に取り組むNPO団体に参加したり、本を読んで勉強をするようになりました。
ただ、NPOなので補助金が打ち切られるとそこまで。活動ができなくなっちゃうんです。
だから、社会と環境にアプローチしながら、営利的な仕組みを組み合わせたビジネスモデルの構築が必要だなと思うようになったんです。
(藤原)なるほどなるほど。
(安居)その後2017年、ドイツの大学院に留学した時に廃棄の無い社会を目指す「サーキュラーエコノミー」という考え方にようやく出合ったんですね。
まさに、これだと思ったのがきっかけですね。
サーキュラーエコノミーの
観点から見ると
田歌舎の取り組みって
輝いて見えるんです
(安居)オランダのサーキュラーエコノミーの一例として、接着剤を使用しない木造建築が着目されているんです。
(藤原)へー。
(安居)木材は北欧から輸入してきて、移築ができる仕様ですね。でも、これって日本で伝統的にずっとやってきた事なんです。
そして誉さんが田歌舎でやっている事ですよね。建築もそうだし、農業や狩猟もそう。
だからサーキュラーエコノミーの観点から見ると、田歌舎の取り組みって輝いて見えるんです。自然との距離が近い生活というか。
(藤原)たしかに。日本は元々世界でも稀なほど自然が豊かな国なのに、気付けていない人が多いのが俺としては残念。
(安居)日本って毎年台風が来るし、地震や津波とかの自然災害も多いけど、やってこれているのは自然の変動に対応できる力があるって事だと思うんです。
だからこそ、日本で先進的な仕組みを整える事で、世界の課題解決の可能性が見えてくるのではと。
(藤原)自然って日本人にとって侵略する相手ではなく共存する相手で、その精神が日本人らしさの源になっているんだよね。
だから俺らが田歌舎でやっている事って日本人本来の生活や在り方に近いのかもしれない。
遊・食・住・自然エネルギー
(安居)田歌舎のコンセプトって「遊・食・住・自然エネルギー」じゃないですか。
サーキュラーエコノミーの考え方の中に「Playful=楽しむ」という要素があって、それが田歌舎の「遊」にリンクしているなって思うんです。
(藤原)田歌舎の「遊」って、俺は辛い事も“面白い”があるから楽しめる。何事も出だしは“楽しい”や“美味しい”からスタートして良いと思って入れたんだよね。 人は理屈ではついて来ないから。
(安居)楽しくなければという話はとても共感です。 サーキュラーエコノミーの中でも“楽しさ”が大事で、良い事はしているけど快適ではない、栄養価は高いけど美味しくない、では長続きしない。続かなければ意味が無いんです。僕、いつも思うんですけど、田歌舎での滞在ってとても快適なんです。室温もそうだし、水回りも整っているし、そして料理が美味しい。 その裏に田歌舎のコンセプトがあるというのが、サーキュラーエコノミービジネスとの共通点ですよね。 そして、オランダが学ぶ事は田歌舎に沢山あると思うんです。
これからの田歌舎
(藤原)この田歌 食工房でも「遊」の部分をもっと取り入れるのが課題かな。どれだけ美山の魅力をこの箱に持ち込んでこれるかという挑戦。
(安居)美山の魅力って改めて何ですか?
(藤原)汚れのない豊かな森や清流だろうね。で、当然そこで育まれる森の恵、お米やお野菜なんかの食材もその清流に育まれているんだからね。そのことをどれだけ伝わりやすく食材などに込めてお店に届けることができるか、田歌 食工房でしか出来ないメッセージを強く出していけたら良いんだけどね。だから、もっと分かりやすく美山を感じられる表現を田歌 食工房がする事で、メッセージが強くなるはず。
(安居)やりたい事、いっぱいですね。
田歌舎ってすごく開かれたコミュニティで、アクティビティとかもお客さんの為に簡単にしているとかじゃなく、本当の自然の姿が体験できる場所というのが凄い。
そしていち個人の生活じゃなくて、課題解決とビジネスに直結できるヒントが沢山あるなって思います。